戸谷一英先生の最終講義に参加しました。
2025年8月9日(土)にホテル松の薫(岩手県一関市)で開催された一関工業高等専門学校の戸谷一英先生(特命教授/名誉教授)の退官記念講演に参加してきました。戸谷先生は碓氷泰市先生が主宰していた静岡大学農学部生物化学研究室の卒業生で、私の大先輩にあたります。戸谷先生が2003年にGlycobilogy(Oxford Academic)に執筆されたインフルエンザウイルス感染阻害剤の合成に関する研究は、糖鎖工学分野の歴史に残る傑作で、現在までに150を超える引用がなされています(Google Scholar調べ)。ご興味がある方は、下記のURLをご参照ください。
https://doi.org/10.1093/glycob/cwg032
また、戸谷先生と私の関わりは深く、私が2003年に静岡大学大学院に進学した際に、数か月、戸谷先生から研究の引継ぎをさせて頂いたのが、知り合ったきっかけでした(戸谷先生はこの年に一関高専へ着任されています)。その後も、私が博士課程修了後に仕事を探している際には、ポスドクとして雇って頂き、福島高専に着任する際も親身になって相談にのって頂きました。福島高専に在籍した7年間は、同じ高専機構の教員として、数多くのサポートやご助言を頂き、心より感謝しています。冒頭にも少し触れましたが、戸谷先生は碓氷研究室の卒業生中でスーパースターのような存在で、私の憧れの先輩でもあります。誰にでも優しく、人情味のあるお人柄は、研究活動だけでなく教育活動にも表れており、最終講義に参加された戸谷研究室の卒業生の方々の表情や態度を見て、改めて戸谷先生の偉大さを実感致しました。まだまだ、戸谷先生の知識や経験を必要とされている方が世の中にたくさんいると思います。私も含め引き続きどうぞよろしくお願い致します。

【左:樋口雄大先生(弘前大学農学生命科学部助教、戸谷研究室の卒業生)、右:戸谷一英先生】