箱守仙一郎賞を受賞しました。

この度、本研究室主宰者の尾形慎が、第9回箱守仙一郎賞奨励賞を受賞いたしました。受賞講演および授賞式は、2025年11月22日(土)・23日(日)に新潟大学ライブラリーホールで開催された第19回東北糖鎖研究会において、厳粛かつ盛大に執り行われました。本賞は、生物系・化学系の枠を超えて糖鎖科学の発展に寄与する東北地域の若手研究者を顕彰し、日本の糖鎖科学研究のさらなる発展を期して設立されたものです。今回の受賞は、尾形が筆頭・責任著者として執筆した学術論文が、2024年度に米国化学会誌 ACS Applied Materials & Interfaces に掲載され、その研究成果が高く評価されたことによるものです。箱守仙一郎先生につきましては、私が改めて申し上げるまでもなく、箱守のメチル化法や、がん細胞における糖鎖不全現象の発見、フィブロネクチンの同定、ABO式血液型システムの分子遺伝学的解明など、枚挙にいとまのない偉業を通じて、日本の糖鎖科学を世界水準へと押し上げられた、まさに「ゼロからイチを生み出す」真の開拓者であられます。また、医学系の研究者でありながら常に Chemistry を重視され、その姿勢は我々合成化学の研究者にも計り知れない示唆と影響を与えてくださいました。このように箱守先生のお名前を冠する栄誉ある賞を頂いたことを深く肝に銘じ、今後も研究者として一層研鑽を積み、糖鎖科学の発展に微力ながら尽力してまいりたいと存じます。最後になりましたが、本受賞に際し、東北医科薬科大学・分子生体膜研究所の山口芳樹所長をはじめ、受賞選考委員の先生方に心より御礼申し上げます。

〔受賞内容〕
所属:福島大学農学群食農学類
氏名:尾形 慎
授与機関:東北医科薬科大学 分子生体膜研究所
受賞名:箱守仙一郎賞 奨励賞
業績表題:Synthesis of multivalent glycoside-immobilized carboxymethyl cellulose nanohydrogel particles with superadsorption ability for lectins