甲野裕之先生らとの共同研究成果がFood Hydrocolloidsに掲載されました。

Kono H. et al., Carboxymethyl cellulose acts as an interfacial binder to reinforce and stabilize anisotropic droplets in α-cyclodextrin Pickering emulsions. Food Hydrocolloids, 180, 112835 (2026).

本論文は、苫小牧工業高等専門学校の甲野裕之先生と尾形が共同責任著者を務め、福島大学、苫小牧工業高等専門学校、ハウス食品グループ本社株式会社による共同研究として実施されました。本研究では、食品用増粘剤として広く利用されている多糖「カルボキシメチルセルロース(CMC)」が、従来知られていた増粘作用に加え、油と水の界面において粒子同士を連結する新たな役割を有することを明らかにしました。研究当初は、水、油、サイクロデキストリン、およびCMCから構成される本エマルションの形成機構が全く分からず、その解明には大変苦労しました。数年にわたり、甲野先生と数多くのディスカッションを重ねるとともに、さまざまな分析手法や本研究室で合成したCMC誘導体を活用することで、ようやくその機構解明にたどり着くことができました。この成果を得られたことを大変嬉しく思っております。また、本研究は現在修士2年の佐藤涼乃さんが学類時代から継続して取り組んできたテーマでもあり、研究室にとっても大変思い出深い研究となりました。今回の研究成果により、ピッカリングエマルションと呼ばれる微粒子安定化型乳化系において、CMCが構造安定性や耐熱性に寄与し、これらの特性を大きく向上させることが示されました。本成果は、界面活性剤に依存しない食品設計、いわゆる「クリーンラベル食品」の開発に貢献することが期待されます。

https://doi.org/10.1016/j.foodhyd.2026.112835