山内紀子先生らとの研究成果がColloids and Surfaces B: Biointerfacesに受理されました。

Nagai T. et al., Electrostatically assembled glycan-immobilized monodisperse copolymer particles for selective lectin adsorption. Colloids and Surfaces B: Biointerfaces, 268, 116042 (2026).

本研究は、茨城大学工学部の山内紀子先生を責任著者とし、福島大学、苫小牧高専の甲野裕之先生との共同研究として行われました。本研究では、糖鎖を導入したγ-ポリグルタミン酸(負電荷をもつ糖鎖高分子)と、表面に正電荷をもつ単分散ポリマー粒子との静電相互作用を利用することで、分子認識素子として機能する糖鎖を粒子表面へ簡便かつ安定に固定化する新しい糖鎖提示プラットフォームを開発しました。具体的には、N-アセチルキトビオースやラクトース、シアリルラクトサミンを多価導入したγ-ポリグルタミン酸を粒子表面に固定化したところ、それぞれの糖鎖を認識するレクチンを選択的に吸着できることが示されました。さらに、本糖鎖粒子は高い安定性を示し、水中で6ヵ月間保存した後もレクチン吸着能が維持されることが確認されました。本技術の大きな特徴は、負電荷をもつ糖鎖高分子の安定な固定化を可能にする山内研究室独自の正電荷単分散ポリマー粒子の構築技術にあります。今後、ウイルスや細菌、毒素タンパク質などを選択的に捕捉・分離する機能性糖鎖材料への展開が期待されます。なお、本論文の筆頭著者である山内研究室の永井智也さんとは、研究を進める中で何度もミーティングやディスカッションをさせていただきました。修士課程で取り組んだ研究を一つの学術論文として完成させるまでには、多くの試行錯誤と努力があったことと思います。この成果は、永井さんの日々の研鑽の賜物であり、その努力に心より敬意を表します。また、ご一緒させていただいた山内先生をはじめ、共同研究者の皆様に心より感謝申し上げます。

https://doi.org/10.1016/j.colsurfb.2026.116042