日本応用糖質科学会誌に碓氷泰市先生の寄稿が掲載されました。
碓氷泰市, 様々な出会いに思いを馳せ研究を振り返る, 応用糖質科学, 14(3), 175-182 (2024).
日本応用糖質科学会誌「応用糖質科学」の応用糖質温故知新に静岡大学名誉教授の碓氷泰市先生が『様々な出会いに思いを馳せ研究を振り返る』を寄稿されました。内容は、学生時代の糖質研究との出会いからはじまり、静岡大学農学部農芸化学科の助手としてスタートする生物化学研究室での研究生活を、共同研究者や学生との思い出を振り返りながら、研究一つ一つをサイエンティフィックに解説されており、碓氷先生の誠実なお人柄が感じられる素晴らしい寄稿になっています。私が碓氷先生にご指導を受けたのは、生物化学研究室が成熟期を迎えた碓氷先生の晩年ですが、親子ほど歳の離れた私の言葉にも、一つ一つ耳を傾けて下さり、いつも楽しそうに研究のお話をされる先生でした。研究面では、環境や汎用性にも考慮した酵素合成法を糖質化学の世界にいち早く取り入れた先駆者のお一人であり、ヒトアミラーゼに対する臨床用測定基質の開発研究や、碓氷反応とも称される安価なラクトースとN-アセチルグルコサミンから加水分解酵素の逆反応を利用して高価なN-アセチルラクトサミンを作り出す酵素合成技術は、同じ研究者として嫉妬するぐらい素晴らしいお仕事だと思います。これから研究者を目指す方の道しるべにもなると思いますので、是非、皆さんにも読んで頂けると嬉しいです。