田中裕基博士を責任著者とする研究成果がJournal of Applied Glycoscienceに受理されました。

Tanaka Y. et al., Heterologous expression and characterization of cellouronate (β-1,4-glucuronan) lyase from a human intestinal bacterium Bacteroides luhongzhouii. Journal of Applied Glycoscience, accepted (2025).

本研究は、本研究室の田中裕基博士を責任著者とし、宇都宮大学との共同研究として行われました。本研究では、半合成多糖であるセロウロン酸を資化可能なヒト腸内細菌Bacteroides luhongzhouiiを発見し、その資化に関わる酵素本体セロウロン酸リアーゼを異種発現することで、その特性を明らかにしました。これまで、陸上や海洋など自然界でセロウロン酸を分解する細菌や真菌が数種類知られていますが、腸内細菌での知見は全くありませんでした。今後、腸内におけるセロウロン酸の代謝機構の解明やその知見に基づく新素材開発などが期待されます。本研究の責任著者である田中博士は現在日本学術振興会の特別研究員として本研究室で研究活動を行っています。2023年4月に着任以来、精力的な研究活動を行い、本論文が本研究室での第一弾の論文投稿となります。現在、第二弾、第三弾の論文を執筆中とのことですので、今後の益々の活躍を期待しています。また、本研究は松村香音さん(2024年度卒業、現在は宇都宮大学大学院修士課程)の卒業研究でもあります。松村さんは、いつもひたむきに研究活動に取り組む姿勢がとても印象的な学生さんでした。オンとオフの切り替えも上手で、研究室ではムードメーカーの役割も担ってくれました。現在も順調に研究活動に取り組んでいると伺っておりますので、陰ながら応援しております。田中博士とのコラボ第一弾ということもあり、本当に思い出に残る一報となりました。